Paratiisi

先日、イルムスのサイトをのぞいたら、“Black Paratiisi が入荷するので、9月15日に予約販売をします”というお知らせが出ていました。http://www.illums.co.jp/topics/news/news.html#black2
同じ図柄のカラーの方はいまでも普通にお店で買えますが、モノクロの方は2年前に廃盤になってしまいました。それがどうやらその後1回だけ再生産されて、日本までやってくるみたいです。たぶん、行列ができて、あっという間に売切れてしまうんだと思います。行列に並ぶ人の中には、とりあえずたくさん買って、オークションサイトで転売する人もいることでしょう。わたしはディナー皿を2枚持っているのですが、割れたらもう補充はできないことをふと思って悲しくなることがあります。こんなチャンスがあるなら、もう2枚くらい買いたいとも思いますが、使わないでしまっておくのはお皿がかわいそうな気もして今回な見送りです。まあ、それ以前にその日は仕事でイルムスの前には並べないのだけれど。そしてプリントの量産品としては結構お高いし。

Paratiisi は不思議な器です。厚手でシンプルな形に、花と実が絡み合うような図柄が描かれています。この器の原型は、1965年に作られた“鳥とフルーツの皿”という大皿です。つがいの鳥が卵のある巣にとまっていて、その周りにいろいろな木の実が取り囲んでいる図柄のお皿です。この図柄をシンプルにしたのが、量産品のParatiisi です。

Paratiisi は力強いのだけれど、どこかエロスを感じさせる器です。わたしはカラーのお皿を使いこなす自信がなくて、モノクロのお皿しか持っていませんが、それでも盛り付ける料理を選びます。本物の料理でないと、料理が器に負けてしまうのです。カラーの場合はさらに強い料理でないと調和が難しそうです。わたしがカラーのparatiisi を使いこなす自信がつくころまで、どうかカラーも廃盤になりませんように。

なかのひと