赤目四十八瀧心中未遂

DVDで観ましたの.菊たんのお姉さまの映画.
尼崎の泥の中で生きる人々を描いた映画ということになっているのですが,わたしには,大楠道代寺島しのぶが,とても下層の人には見えなくて,作りもの感たっぷりというか,こっちの岸から下層を見て,という感じがたっぷりというか,なんだかとても考えさせられましたの.

そう感じた一番の原因は何かというと,二人の歯並びですわ.
欠けた歯や前歯の虫歯がないどころではない,きれいに磨かれ揃った歯.
わたしが仕事上見かけることのある,高級でない風俗で働く女の子たちは,顔立ちはかわいくても,歯並びがひどかったり,虫歯がひどかったり,ない歯があったりしています.煙草のヤニがついていたり,ひどく歯垢がたまったりしていることもあります.
作品のために痩せたり太ったりすることはあっても,役になりきるために虫歯を作ってみたり,歯を抜いたり,めちゃくちゃな並びのさし歯をしたり,ということは,女優さんにとって普通はありえないことなので,こればっかりは仕方がないことです.
そして,二人の女優の歯並びのリアリティのなさが,これはドキュメンタリーではなく,お芝居なんだよ,と言っているみたいで,逆に画面をおとぎ話にして,不思議な味を出しているのかもしれません.