仕組みを作る人と仕組みで働く人

仕組みを作るごく少数の人と,仕組みに沿って働く取り替えのきく部品の様な多くの人々,というのが最近の流行の考え方?です.
世界的大企業においては,という感じで言及されているのだけれど,実はとっても身近にこれのミニ版があるのでは?と,はっとしました.

それは病院給食.
わたしが大学を卒業したころ,病院の給食課では,多くの新卒栄養士が働いていました.
大学研修医の病院オリエンテーションで給食課の見学をしたとき,
「1年目は一般食を作ります.2年目になると治療食の担当になります.3年目からは献立作成に入っていきます」
と説明されたのをよく覚えています.
「早出,遅番があって,はじめは肉体労働」

いまや,病院給食は外注のところが多いのでは,と思います.
自前の病院栄養士はごく少数の管理栄養士のみ.
そして,一緒に仕事をするのは,外注の給食会社の社員や契約社員の栄養士,調理師と,パートタイムの調理員.
給食会社も大手であれば,献立作成から衛生管理まで,かっちりとしたマニュアルがあることでしょう.

食品工場や企業給食で働いている人が患者さんとしてやってくるとき,この衛生感覚を仕事で発揮されたら困るな,と思うことがあります.栄養士の女の子だったら当たり前でマニュアルにする必要もないことであっても,こういう人たちが食品を扱うにあたり,たぶん,会社のマニュアルは何重にもフールプルーフが織り込まれているのだと思います.

栄養士としての就職先は病院から給食会社へシフトしつつあるのでしょうか.
大手給食会社は,仕組みを作るごく少数の幹部と,仕組みの中で働く社員,仕組みの部品の様な非正規雇用者,という構造になっているのでしょうか.
いろいろ想像するのですが,実際のところはどうなのかしら.