お江戸は遠い彼方に

歌舞伎座開場ということで,さっそくお出かけしましたの.
菊たんは一瞬しか出てこない弁天小僧菊之助!を観てきましたわ.
春休みでヒマヒマなお孫さま@高校生も一緒です.
母がお孫さまに言うことには,「のりおばちゃんが子供の頃は,8時だよ全員集合っていうテレビ番組があって,ドリフターズが出て,今から思うと毎週歌舞伎のパロディみたいなコントをしていたの」
そのとおり.屋台崩しとか,あったもの.バカ殿なんてそのまんまだし,体操コーナーは四天の立ち回りですわ.
時蔵丈のおかみさん役を観ると,いかりや長介さんのおかみさんを思い出してしまうわたしです.
わたしのお芝居の原点はドリフターズにあるのは間違いありません.
でもね,もうひとつ,大切な原点がありますの.
それは,「必殺仕事人」.わたしはこの番組で「夜鷹」とか「かどわかし」「手篭め」という言葉を覚えたような気がします.小伝馬町とか八丁堀とかの意味や,大川端の雰囲気,大店の旦那と番頭,手代の関係.水戸黄門では決して出てくることのない,猥雑な江戸の雰囲気.
あんな非教育的なテレビ番組!と言われそうですが,あの番組を観ていたおかげで,三人吉三や髪結新三の世界に,すうっと入っていくことができるのです.

歌舞伎に若い世代の観客を,とよく言われますが,「必殺仕事人」や「大江戸捜査網」を知らないと「夜鷹」のイメージがわかない,というところにまずはつまずきがあるのかもしれません.