最小限生活のためのオススメ洋食器

「部屋を活かせば人生が変わる」という本が話題になっているみたいで,読んでみましたの.
白地に青が良い,というのは同意.
食器は1人1セット,お客用は不要,という点は同意できませんでしたわ.
1人暮らしなら2人用.2人暮らしなら4人用のティーカップとケーキ皿,コップとワイングラスは欲しいですわ.
ということで,確実に補充ができる定番品から食器を組んでみました.

ミート皿もしくはディナー皿:×2
スープ皿:×4
パン皿もしくはケーキ皿:×4 もしくは 模様違いで2客×2種
ティーカップ&ソーサ>:×4 もしくは 模様違いで2客×2種
を基本として,これにガラスのコップ×4ワイングラス×4カトラリー類が加わります.

わたしのお勧めは
白&青で厚手:ニッコーのミングトゥリーシリーズ
ttp://www.nikko-tabletop.jp/user_data/series_thumbview.php?category_id=402
白&青で薄手:ロイヤルコペンハーゲンのプリンセス
ttps://www.royalcopenhagen.jp/goods_list/goods_list_2.php?called=category&vctg_no=i123
白で厚手:アピルコのフローラ
ttp://store.shopping.yahoo.co.jp/fobcoop/apl-f-1-3.html
白で薄手:ジノリのベッキオホワイト&アンティコリモーネ
ttp://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/richardginori//-/
オフホワイトで厚手:イッタラティーマ&パラティッシ
ttp://www.scandex.co.jp/iittala/products/catalogue.html
ttp://www.scandex.co.jp/iittala/products/glassware/index.html
ttp://www.scandex.co.jp/arabia/products/paratiisi.html

ガラスのコップは好みでデュラレックスのピカデリーイッタラのカルティオttp://www.duralex.com/picardie.html 
ttp://www.scandex.co.jp/iittala/products/glassware/index.html
ワイングラスは食器が厚手の場合はリュミナルクのロマンリーデルヴィノムのヴィオニエ,食器が薄手の場合はリーデルヴィノムのヴィオニエ
ttp://store.shopping.yahoo.co.jp/fobcoop/myz-a57919.html
ttp://shop.riedel.co.jp/vinum

カトラリーはツヴィリンクのカーディナルです.ただしイッタラにはカイボイスンも良いと思いますわ.
ttp://www.zwilling.jp/products/zwilling/zw_tableware/gift_tableware/
ttp://www.kaybojesen.com/

ニッコーのミングトゥリーとデュラレックス,リュミナルクのロマンという取り合わせにすると,定価ベースで2万円以下で収まります.カラトリーはカーディナルの30ピースセット(定価21,000円)を最初に買っておくと,無敵だと思いますわ.

こんなことを書きながら,わたしの家の食器棚はいろいろな色と模様があふれているのでした.

歌舞伎座チケットの値段

去年,今年と歌舞伎界では,病気になったり亡くなられたりする役者さんが続いています.今日も,「中村福助さんが体調不良で休演」なんてニュース.本当にお休みがちょっとしかない肉体労働.

一方で,新装歌舞伎座になってから歌舞伎のチケット高すぎ,松竹もうけすぎ,などという意見もよく目にします.

でも,ほんとうにチケットは高すぎなのでしょうか?

そりゃ,1等A席はそれなりのお値段だけれど,3階席なんて,時間当たりお値段は映画とそれほど違わない気がします.お芝居はライブでその時限り,一期一会であるけれど,映画は必ずしもその時でなくても楽しめるもの.

一般的な商業演劇の場合,夜の部休演翌日昼の部休演,といったかたちで関係者にお休みを与えています.歌舞伎の場合,それがなくて,1ヶ月近くずーっと公演が続きます.
2時間とか3時間で1万円前後の一般的な演劇のチケットが高すぎ!といわれるのをわたしは見たり聞いたりしたことがありません.
複数の演目があって,一般的な演劇に比べて圧倒的に出演者の人数が多くて,音楽が生演奏なのだから,一般的な演劇に比べてチケットのお値段が高いのは当たり前といえば当たり前だと思うのです.

今の25日連続興業で1等A席1万8千円が松竹にとって必要な値段であるならば,わたしは25日のうち昼夜それぞれ4回ずつ休演を入れて,1等A席2万2千円になっても許してあげます.菊たんの健康のために.
あるいは,国立劇場方式で花横&センターブロック10列目までが2万5千円になっても許してあげます.菊たんの長生きのために.

なんて書いたけれど,わたしの12月はお出かけするところが多すぎ&トリノ王立歌劇場(4万3千円!!!)があるので,3階B席なのでした.松竹さんごめんなさい.2月はちゃんとお高い席にするから許してね.

虫と皮膚炎

この週末は学会でしたの.
今回の学会で得たものは?と訊かれたら,「虫と皮膚炎」「虫と皮膚炎」「虫と皮膚炎」と叫んでしまいそうですわ.

大学の教授や准教授のせんせいは,たいていの場合,サブスペシャリティーと持っていますわ.仕事におけるサブスペシャリティーだけでなく,いろいろな趣味にかなーりの時間をかけている方も皮膚科では多いですわ.
サブスペシャリティーが毛髪で趣味がピアノとか,サブスペシャリティーが免疫で趣味がフルートとか,音楽系の趣味を持っているひとはたくさん.写真マニアもたくさん.

でも,サブスペシャリティーと趣味がニアリーイコールのせんせいといったら,あの方しかいませんの.某サマーオータムせんせいですわ.

学会の書籍販売コーナーへふらっといったわたし.つぎの瞬間,わたしの手は,秀潤社の新刊「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」へ伸びていましたわ.
オールカラーで12,600円.総論のページの後は,夏秋せんせいが撮影した美しい虫の写真と虫&毒の解説と刺された時の患部の写真(しかもご自分が刺された時の写真がたくさん,というか,わざわざ刺されて経過を見たりしているのでした)と治療法が延々と続くのです.見ているだけでかゆくなりそうな本です.これはもう,買うしかないでしょ.スズメバチの巣の形状のあれこれとか,毒グモが住んでいる環境の写真とか,読むだけでニワカ虫博士になれです.

ワインを片手にわくわくしながらページをめくるわたしですが,膨大なマニア知識がちゃくちゃくと脳内にインプットされてる実感がありますの.
わたしは趣味の本として買ったのか,仕事用の本として買ったのか,どちらだったのでしょうか.

今,ひょっとアマゾンを見たら,出品者からお求めいただけますになっていましたわ.特定のジャンルの人々に激しく売れているのね.

ポランスキー「初めての告白」

さっそく行ってきましたの,「初めての告白」.
いま,ロマン・ポランスキーは79歳.
戦場のピアニスト」が公開されたとき,ああ,これがポランスキーの遺作になるのね,と思って,映画館にリピートしましたの.作家は処女作にすべてがある,とよく言われるけれど,「戦場のピアニスト」はすべてがある遺作なのね,と思ったわたし.今から思うと,ほんとうにごめんなさいでしたわ.そのあと彼は,謎すぎる「オリバーツイスト」やら,小粋な「大人のけんか」やら,とっても素敵だった「ゴーストライター」を撮ったので,「戦場のピアニスト」は遺作にはならなかったのでした.
でも,「初めての告白」の中で,自分が死んだあとどの作品を棺に入れるか,と問われて,「戦場のピアニスト」と彼は答えていました.ある意味では遺作で,それから後の作品は壮大なおまけなのかしら.
ものすごく濃密は彼の人生.
彼の映画人生のエピローグのような「初めての告白」.
でも,次回作もちゃんとあるみたい.

映画館はマニア系の小さな映画館.客席数はわずか64でしたが,全部埋まってはいませんでした.すごくいい映画だと思うのだけれど,興業としてはささやかなものなのでしょう.同時上映として,彼の作品4作品がかけられるのですが,わたしは全部DVDを持っているし,おうちのプロジェクターでお酒を飲みながら観ればいいし,とお得な5作品前売り券は買いませんでした.「ローズマリーの赤ちゃん」なんて,せっかくニュープリントなのだから,六本木TOHOシネマズのプレミアシートで上映すれば,イメージフォーラムに来るような小難しそうな個性的ファッションもしくは地味ファッションのオタクお客(関係者の皆さんごめんなさい)だけでなく,オシャレお客がたくさん入りそうな気もするのだけれど.

わたしにとって,シアター・イメージフォーラムとか,ユーロスペースはわざわざ行くところで,ヒューマントラストとか今は亡きになってしまったテアトルシネマとかはちょっとふらふらと行ってしまうところで,TOHOシネマズはなんとなく行ってしまうところですの.
ローズマリーの赤ちゃん」はストーリーのほかにも,ミア・ファローのヘアスタイルやドレス,映画音楽もめちゃくちゃオシャレなので,すでにその良さを知っているような人だけを相手に上映するのは,なんだかとってももったいないと思うのです.なんとなく観てみたらステキだった!というのを,多くの人に味わってもらいたいですの.でも,興業っていうのは難しそうですわ.

自分のチョイス,他人のチョイス

5月は時間的にもおカネ的にも,松竹さまに捧げてしまいましたわ.
結局,菊たんの京鹿子娘二人道成寺を6回観てしまいました.
あらかじめ買ってあったチケットで1階で1回,3階で1回.そのほかに幕見で4回.
後半は幕見がものすごく人気となっていて,確実に道成寺を観るためには,石切梶原+道成寺で買わなければなりませんでした.
なので,結局,石切梶原も4回観てしまいました.

石切梶原はストーリー的にはものすごい感動ドラマ!というわけでもなく,わたしとしては,道成寺のおまけ(関係者のみなさんごめんなさい)という感じだったのですが,1回,2回と回を重ねて観るごとに,ものすごくいい舞台だ,と思えてきました.いわゆる糸に乗って,という.役者さんと大夫,ノリノリな三味線.本当にドリフなシーンがあるのもご愛敬.
インターネットで検索した1篇の論文を読むのではなく,雑誌で次のページを何気に読んだらとっても興味深い論文だった,というかんじでしたの.
自分の好みだけをチョイスするのもいいけれど,与えられたものをそのまま味わうのもいいものね.と思いました.幕見の列では,「しょうがないから石切梶原から買う」なんて言っている人が多かったけれど,お芝居のあとに「観てよかった」と思った人も多かったのではないかしら.

道成寺はそれはそれは夢のような舞台でしたが,肉体の芸術の残酷さ,をつきつけられるようでした.玉三郎丈の足が悪いのがうかがえてしまう日があって,胸が痛くなりました.背中にゼンマイのねじがついているのかしら,とも思えるような菊たんの毬歌.いったいどれだけ身体が軟らかいの,と思える菊たんの海老反り.でも菊たんもこれから永遠にそれらが続けられるわけではないのです.「肉体の芸術ははかないもの.毎日毎日が真剣勝負,一期一会のつもりでお役と向き合います」は,結婚前の会見での菊たんの言葉ですが,はかないからこそよけいに素敵,なんて言ったら,バチがあたってしまうでしょうか.

季節のアート

忙しくしていて季節外れになってしまった玄関の版画.
2年前に衝動買いをしてしまった「白木蓮」です.
とても好きな版画だけれど,しまわなくちゃね.
1年のうち,ほんの少しの間だけ飾ることができる,とてもぜいたくなアート.
また来年.

そしていつものオールシーズンもののシルクスクリーンを掛けます.

お江戸は遠い彼方に

歌舞伎座開場ということで,さっそくお出かけしましたの.
菊たんは一瞬しか出てこない弁天小僧菊之助!を観てきましたわ.
春休みでヒマヒマなお孫さま@高校生も一緒です.
母がお孫さまに言うことには,「のりおばちゃんが子供の頃は,8時だよ全員集合っていうテレビ番組があって,ドリフターズが出て,今から思うと毎週歌舞伎のパロディみたいなコントをしていたの」
そのとおり.屋台崩しとか,あったもの.バカ殿なんてそのまんまだし,体操コーナーは四天の立ち回りですわ.
時蔵丈のおかみさん役を観ると,いかりや長介さんのおかみさんを思い出してしまうわたしです.
わたしのお芝居の原点はドリフターズにあるのは間違いありません.
でもね,もうひとつ,大切な原点がありますの.
それは,「必殺仕事人」.わたしはこの番組で「夜鷹」とか「かどわかし」「手篭め」という言葉を覚えたような気がします.小伝馬町とか八丁堀とかの意味や,大川端の雰囲気,大店の旦那と番頭,手代の関係.水戸黄門では決して出てくることのない,猥雑な江戸の雰囲気.
あんな非教育的なテレビ番組!と言われそうですが,あの番組を観ていたおかげで,三人吉三や髪結新三の世界に,すうっと入っていくことができるのです.

歌舞伎に若い世代の観客を,とよく言われますが,「必殺仕事人」や「大江戸捜査網」を知らないと「夜鷹」のイメージがわかない,というところにまずはつまずきがあるのかもしれません.