積層の家

たまった雑誌を整理しようとして、やっぱり捨てられなくなってしまったのが、「積層の家」が出ている雑誌です。
これは、大手の設計会社に勤務されている方が、何年もの構想を経て設計された自邸です。美術館のような印象深い建築です。大きいとはいえない家に、シンプルな本物の家具が置かれています。
積層の家のキッチンは、カバザクラのカウンターに、小さめのシンクとドンブラハの混合水栓、ガゲナウのIHとガスレンジが付いているだけのごくシンプルなものです。冷蔵庫はカウンターの下にちょこんと付いている100リットルとごく小さなもの。
電子レンジも電気湯沸しポットも炊飯器もトースターも大型冷凍冷蔵庫も食洗機もありません。
写真に写っている銅の行平なべとやかんはたぶんとてもいいものなのだと思います。(どこのかがわからないところがわたしの教養のなさなのだけれど)
選び抜かれた上質な少しのものと暮らす、そんな生活が雑誌の写真から伺えます。
野菜はきちんとおなべでゆでるのでしょう。
ご飯は火加減を見ながら、そのとき食べる分をおなべで炊くのでしょう。
この家のキッチンはシンプルな本物の料理しかできないキッチンです。
もっと上質な生活を送りたい、この家の写真を見ると、いつもそう思います。