アヲハタ・コーンとジェネリック

患者さんから、ジェネリック薬品の処方希望が出た場合、最近では、こんなふうに説明していますの。

先発品はたとえば、アヲハタのスイート・コーンの缶詰のようなものです。
安くはないかもしれないけれど、たいていのお店で確実に買えるし、品質は間違いないし、おいしいです。この料理につかえば、こんなふうになるって予測がつきます。
ジェネリックはたとえば、スーパーで売っている輸入物のちょっと安いコーンの缶詰のようなものです。安いけれど、中身の想像ははっきりはつきません。とってもいい品でおいしくてお買い得かもしれないけれど、ひょっとしたら、とうもろこしの芯がすこし入っているかもしれないし、どんな大きさの粒がはいっているのかだって、ちょっとわかりません。いつも同じものが買えるとも保証ができません。
先発品とジェネリックはまったく同じではありません。
お料理のときにアヲハタ・コーン1缶っていうのと、コーンの缶詰1缶っていうのと同じくらい違いがあるんですよ。

でも、どちらもとうもろこしの缶詰です。
ひとの考え方はいろいろあるので、食費は多少削ってでも子供の教育費にかけたいおうちもあるだろうし、口にいれるものはぜったいいものがいい、と言う人もいるでしょう。なので、先発品がいいか、後発品でもいいか、というのはその人の考え方にもよります。

ただし、ひとつ気をつけないといけないことがあります。
先発品のおくすりもジェネリックのお薬も主成分は同じということになっているけれど、薬の粒の作り方までは同じでないので、飲んでから薬が効いてくるまでの時間や、薬の成分が血液中にどれだけ出てくるかまでは同じではない場合があります。なので、わたしとしては、飲んでからくすりが効くまでの時間が問題となりやすい血圧・心臓や血糖関係の薬は、先発品のほうが安心だと思います。また、短期間だけ飲む薬で、がっちり強力になおしたいヘルペスの薬なども先発品のほうが安心だと思います。いちおう、後発品可、にまるを付けておきます。処方箋は有効期限が4日間あるので、よく考えてくださいね。

以前は、国産のブロッコリーと○○産のブロッコリーで説明をすることが多かったけれど、アヲハタ・コーンと安売りコーンの説明のほうが、患者さんうけはいいようですわ。シャキッとコーンの会社さん、無視してしまってごめんなさいね。
わたしが働いている病院はあまり裕福でない患者さんが多いので、絶対先発品のほうがおススメですよ、といえないところが、ちょっとつらいです。

なかのひと