今週のため息

あともうすこしで今週がおわります。
今週はとてもつらい1週間でした。

年末から入院してきたやけどの患者さんの手術が3件。
これって、たった3件といわれてしまいそうだけれど、とっても大変。
予定手術ではないので、手術室の空いているときをお願いして、手術を組みます。
でも、手術をするほうだって、ルーチンの仕事があるわけで、手術室があいているからといって、手術ができるわけではありません。
たとえば、2時半まで外来をして、外来が終了とともに手術室に滑り込み。それから麻酔の導入がはじまり、体位をとるともう4時近くになります。
手術が終わって、覚醒してお部屋に帰ると8時とか9時です。
ちなみにわたしが働いている病院では、その時間でも並列麻酔だったりしますの。すごいでしょ。というか、麻酔科可哀そうすぎでしょ。
まあ、わたしが働いている病院では、どんなに遅い時間でもちゃんとしたオペナースが手術につくのがうれしいです。大学だったら5時を過ぎるとナースは業務終了になるので、機械出しも医者の仕事になってしまいますわね。

やけどの手術は術後かなり血管透過性の亢進が起こるため、術後の何時間かは点滴をしても点滴をしてもおしっこがなかなかでません。
何時間か経過すると、どばーっと出てくるので、心臓と相談しながらの点滴が必要です。
やれやれと落ち着くと夜中の12時をまわります。
人がたくさんいて、手術室にも余裕があって、朝の9時から手術ができれば、夕方までにはらくらく状態が安定するのにね。
そうすれば、夜勤帯にいろいろあるより、病棟のナースの人々もどんなにいいことか、なのにね。
というか何よりも、患者さんも安全なのにね。

何年か前にある病院で、全身やけど2人と壊死性筋膜炎1人を持っていたときのはなし。日曜日の夕方にわたしのポケットベルが鳴りました。
「やけどの患者が来るから」
わたしが院内で嫌いな方から5人にノミネートしていた医者がこう言いました。
ふつうの人は、「これこれこういう患者を取ってほしいという救急隊からの電話があったけど、受けていい?」と連絡をくれるのですが、そいつは違いました。
わたしは「これ以上患者を受けても、仕事が回せないから、他にまわってもらうか、どうしてもだめなら、ラインだけ入れて他にまわして欲しい」と頼みました。
でも、そいつは「駄目だ」と言いました。
仕方がないので病院へ行くと、救急外来でそいつが仁王立ちをして、わたしに向かって「こういう病院で働いているのに、根性がなっていない」と言いました。ちなみにそいつはわたしより年上でしたが、学年は下でした、ああ。
こういう輩とあれこれ言い合いをするのは感情の無駄遣いになるので、とりあえず受け入れのふりをしたわたし。
翌日、他の病院にお願いしてその人を転院させてもらいました。
全身やけどの人は、ウイークリーとかバイ・ウイークリーに皮膚移植の手術が必要になるので、手術室の台を確保するだけでもとっても大変。
あと、毎日のガーゼ交換もとっても大変。人間まるごとラッピングですから、病棟のナースの人々の人力を集めないとできません。その間、病棟の業務にもちょっと支障をきたします。

救急車を受けるのは簡単。
でも、そのあとが大変。

もう2人重症がいるからと全身やけどを断った東北大学を悪く言うのはかわいそうですわ。

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