もうひとつのtomorrow 第4話

この回はひたすらヤマシタくんを鑑賞する回にしましたの.
西山室市民病院みたいに大腿骨頸部骨折で半年入院なんていっていたら,ヤマシタくんの受け持ち患者は100人をこえてしまいますわ.

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ナース控え室
弁当を食べている菅野美穂.結構大量.食べ終わると,プリンを食べる.
一緒に食事をしているのは,戸田恵梨香
「なんか,最近ビミョウ.はっきり言って武田センセ仕事できないわ」
「ミホちゃんもそう思う?あたしもそう思う.」
「看護部上層部へのうけはいいんだけどね.なんか駄目.言いくるめてるってかんじ.」
「タケダってさ,年だけど,ほんとはそんなに経験ないの知ったとき,びっくりして納得した.35歳で医学部入学,42歳で国家試験合格って.一般社会人としての経験が,なんていうけれど,それ以前に医者としての経験不足だろっていいたい.元オペナース,外科医評論家のあたしが言いたい.」
「たとえば,えりかの好きな北村センセと比べて?」
「北村ちゃんはほんとにおとなだもん.あたし,移動になってちょっとがっかりきてるんだ.ミホちゃんとちがって,あたしはナースだし,やっぱ産科病棟ではできないこともある.産科って,赤ちゃんの誕生があって感動的だろうな,って思ったんだけど」
「ふーん」
「仕事中にいい男をみてると,たぶん健康にいいのよ.阿部センセとかみててしびれるよ.クールでさ.医龍の朝田とかもかっこよかったけど,阿部センセはほんもののドクターであそこまでかっこいいんだもん.タケダなんて,顔がイケてないし,なんたって姿勢が悪い.仕事にきびしくない.タケダのオペってあんましついたことなかったけど,三浦センセとはくらべものになんない.機械出ししてて,手にぴたっと出してあげたくなる感じなんてないもん.なのになんであたしが1日に見る医者の顔の半分以上がタケダの顔なんだ,あー」
エリカの顔がちょっと真面目な顔になる.でも口は止まらない.
「北村ちゃんが前に言ってたの.“外科医の旬は37歳から42歳までの5年間だ”って.タケダなんてさ,42からだよ.42にしてヤマシタ以下.ものになるわけないじゃん.処方だって,すぐ漢方だしさ.内科とかにしとけばまだましだったのにさ,じじいにメスは無理」
ドアが開き,看護師長が入ってきたので話をやめる2人.

手術室.阿部ちゃんとヤマシタが大腿骨骨折の手術をしている.
時計をみると17時30分である.
イメージが入るところ.
そこへ電話.外回りのナースが電話に出る.
「センセイ,犬にかまれて,右手が化膿したって人が受付に来ているそうです」
「化膿したっていつ噛まれたの?」と阿部ちゃん.
電話のやりとり
「4日前だそうです.右の第2指のMPがパンパンだそうです」
「うーん,じゃあ,これが終わったら診るから,救外にまわっててもらって」
手術再開.

救急外来.初老の男の患者と阿部ちゃんとヤマシタ.
「1回救外に来てるんだ.外科の浅利が診て,翌日来るように言ってあったけど,来なかった,と」阿部ちゃんがつぶやく.
「まさかこんなに化膿するかも,なんて言われなかったですよ」と患者.
「これ,開けですか,センセイ」とヤマシタ.
「ああ,オペ室だな」と阿部ちゃん.

再び手術室.
ナースがスクラブし終わったところにキーラーのマイクロ眼鏡をかけた阿部ちゃんとヤマシタが登場.
阿部ちゃんはスイッチが入ったように,ヤマシタに解説をしていく.
術者はヤマシタであるが,主導権は完全に阿部ちゃんである.

最後の包帯巻きをしているところにまた電話.救急外来から.電話の向こうの声は外科の浅利陽介のようである.浅利と外回りナースがやりとりをしている.
「スーサイド?がっぱり?」と阿部ちゃん.
阿部ちゃん,大げさに天をあおぐアクション.「ヤマシタ,オレ後やっとくから,偵察に言って来い.」
「わっかりました.たいしたことなかったら,浅利にやらせます」とヤマシタ.

患者が退室したあと,手術室の椅子に座って足をぶらぶらさせている阿部ちゃん.
ヤマシタからの電話.
「わかった.じゃあ,準備してるから連れて来い」
外回りナースとあれこれ物品について話をしたあと,電話をかけている阿部ちゃん.
「緊急がさ,今終わったと思ったら,また来ちゃったんだよ.先,寝てていいから」
奥さんにかけているようで,口調が甘くやさしい.

ふたたび,マイクロ眼鏡をかけた阿部ちゃんとヤマシタ.今度は,右上肢でなく左上肢が相手である.患者は若い女
さっきほどスイッチの入っていない阿部ちゃん.ヤマシタが手術をすすめ,ときどき阿部ちゃんの助言が入るかたちで始まったが,途中から阿部ちゃんが術者になっている.

手術終了.女がか細い声で言う.
「手,動くようになりますか?」
阿部ちゃん「つなぐところはつないである.機能については,今の時点ではわからない.今日はゆっくり休みなさい」

真夜中の病棟.
ナースステーションで指示だしをするヤマシタ.
缶のココアを飲みながら,点滴の指示を書いている.
手の外科の教科書をみながら,手術記録を書いているヤマシタ.

手術室のシャワールームでシャワーを浴びるヤマシタの美しい裸体.

医局ラウンジのソファで毛布にくるまっているヤマシタ.

医局ラウンジの朝.
浅利が検食の朝食をとっている.その横で,ヤマシタが病院の売店で買ってきたらしい山崎パンと牛乳の朝食をとっている.
浅利が思い切ったように「きのうはすみませんでした」と恐る恐るヤマシタに話しかける.
「しょうがないよ.来ちゃったんだから」
「阿部センセイって優しいんですね.一緒に見に来てくれたり」
「あのひと実はハンド好きなんだよ.大学ではハンド班じゃないんだけどね」

たまきが出勤してくる.Z4の横を通り過ぎる.
医局ラウンジ.
浅利とヤマシタを見つけるたまき.
「ヤマシタちゃんきのう,お泊り?」
「メディアン・ナーブ切ったスーサイドが来たんすよ.23歳,すっごいカワイイ子なんすよ」
「あっそ.可愛い,なんて言ってると取り付かれるぞ」とたまき.