ローズマリーの赤ちゃん

DVDでゆっくり観ましたの.
40年前の映画です.
カメラワークがとても美しく,哀しみをおびたテーマ曲が心に沁み入るようです.
ミア・ファローが着ている衣装がどれもこれもファッショナブルで,今そこにあっても全然違和感がありません.ダコタハウスの重厚なドアや壁を白いペンキで塗りたくってしまった2人の部屋のインテリアもとても素敵です.
テレビやトースターといった家電はあるけれど,機能がシンプルな時代のそれなので,デザインもとてもシンプルです.
男性俳優陣が着ている衣装も,ぜんぜん古臭さを感じさせません.
画面をみているだけでうっとり.

ふと思い出したのが,トニー・レオンが出ていた花様年華
これは舞台が1960年代の香港です.マギー・チャンの衣装(おもにチャイナドレス系のワンピース)がとても素敵な映画でした.室内でのシーンがほとんどで,家具とか壁紙とか,昔のそれなのだけれど,とてもおしゃれなのでした.電気炊飯器のとてもプリミティブなデザインのものが出てきましたわ.

買った瞬間が一番いいもの,ってちょっとさみしい,としみじみ思ってしまいました.
でも,現代においてそうでないものを買おうとすると,ものすごくお高くなってしまって,かつお手入れが大変なのが実際.

昔はたぶん家具も電化製品も普通の人が買うにはとても高いもので,あるいは洋服や靴やバッグも収入から比べるとものすごく高いものだったのだろうと思います.なので,数は少ししか持たずに大切に使ったり身に着けていたりしたのでしょう.

画面をみながら,いろいろなことを考えてしまった,ローズマリーの赤ちゃん.食べ物がでてくるのは,ぺらぺらしたビニール袋からではなくで,茶色い紙袋から.おいしそうに見えます.
わたしはぼーっと,みていたけれど,デザイン系の仕事をしている人達って,きっとこういう映画を観ると衣装とかインテリアが気になって気になって,ストーリーどころではなくなっってしまうこともあるのかしら.

なかのひと