1,700円と2時間

怖いもの見たさでいってきてしまいましたの,某Y医院映画.
1,700円と2時間.
土曜日の外来で「わたしはステロイドは使いたくないんです」「納得がいくまで説明をききたい」で30分以上診察室から出て行ってくれない患者さんが,ようやく診察室の外に,というときのような疲労感でした.「ふだんはステロイド使わなくてもあなたの好きだけれど,今日は使わないとカポシになっちゃうよ」と言っても,全然通じない,あの感じ.「あなたは納得でいいかもしれないけど,ほかの人はずーっと待ってて,あなたのしわ寄せで3分診療になっちゃうんだけど」をオブラートにくるんだ言い方でいっても全然通じない,あの感じ.
はじめのうち,頭の中はひとりニコニコ動画状態で,いろいろ突っ込みを入れていたのだけれど,これは宗教のひとつだし,他の人の頭の中は変えることはできないし,という以外に結論はないのでした.

もう長いこと,人を見た目で判断する仕事をしているせいか,いろいろな催し物に行くと,その場に来ているひとをついつい観察してしまうわたし.どんな洋服を着ているか,どんな靴を履いてどんなバッグを持っているか,顔や表情の系統は?芸術系の催し物だと,着ているひとの格好もとてもセンスが良かったり,上から下までで合計100万以上ね!みたいなゴージャスなご婦人がいたり,で結構楽しいのですわ.教科書に載ってしまうような歴史的有名絵画展では,とにかくいろんなひと.
まあ,付き合いで行く,という場合もあるけれど,催し物というのは,自分で行くか行かないかを決めることができるので,お客のパターンというのはある程度あるのはあたりまえ.マイナーな映画だと,ふーんこんな格好もあるのね,的な若い女の子や男の子がいたりするのだけれど,今回はそういうのもありませんでしたわ.川瀬直美映画を見に来る,というより某Y医院映画を見に来る,だったのね.
義憤に駆られて?観にいく産婦人科のせんせいもいるかも知れないけれど,この映画を観に行く,という時点で,すでにセレクションがかけられていて,その人たちが,自分のブログにY医院すてき! 的なエントリを書くのね,と.

普通の妊婦さんや普通に働く産婦人科のスタッフはこの映画を観に行くのでしょうか.
病院系ブログでは,あれこれ言われている某Y医院映画.夜9時の医局で突っ込みをいれながら見るようなかんじで,ニコニコ動画にアップされて,いっぱい字幕が入って,なんてなったらちょっと面白いかも.それだったら,隙間時間にタダで,だし.